【読書のススメ】学校生活の息苦しさ(蹴りたい背中/綿谷りさ)
いやー、これはやれました。(笑)
蹴りたい背中、今更ながら読みました。
ハツの気持ちが痛いほどよくわかって。
アラサーの今でも、記憶の中に確かにあるあの息苦しい感じ。
友達は多いほうがいい。
不愛想より愛嬌のあるほうがいい。
だれが決めたかわからないけど、理想とされている生き方みたいなのってありますよね。
ハツやにな川はそれを放棄して、クラスや部活の中で一匹狼でいる。
自分は他の奴らとは違うんだととがってる。
でも、すごくしんどそう。
多少無理してでも、なんとなくグループに属して、面白くない話でもへらへら笑ってるほうが思い悩まなくて済むだろうから、そこはうまくやればいいのにーとも思ってしまうけど、それをしないのがこの二人なんだろうな。
授業と授業の合間の10分休みが手持ちぶさたすぎて永遠に感じてしまったり、何人かのグループ分けの時にあぶれてしまって所在なさげになってしまったり、お弁当を食べる人がいなくて窓際のカーテンに隠れてみたり。
読んでいてとにかくしんどかった。
自分らしくいることと、人に合わせるということは相いれないことなのだろうか。
私も集団生活は得意ではなかったので、10分休みが早く終わればいいと思っていたけれど、お弁当を食べる友達を絶やさないように必死にふるまっていた。
中学や高校で一匹狼になることはしんどいことだとわかっていたから、そうならないように一生懸命やってた。
だけど、必死に一生懸命一緒にいた人達とは今では全く連絡を取ってない。
なんだこりゃ。(笑)
高校を卒業して、大学に入れば、世界は広くなる。
大学の人の多さは高校の比じゃなく、あちこちに知り合いができる。
それに、いっつも群れてる必要がなくなる。
私は大学に入ってからは、友達と時間が合わない時には、学食を一人で平気で食べていた。(笑)
高校の時は一人でいることが恐怖で仕方がなかったのに。
友達が少なくてもいいのだ。
なんなら、友達がいなくっても大丈夫なのだ。
アラサーになって、友達が家庭をもってしまい、本当に友達は減ってしまったけれど、ひとりでいることは不幸せなこととは違う。
負け惜しみではない。(笑)
小学校、中学校、高校、大学合わせて16年。長い…。
学校で集団生活を経験させることは社会性を身に着けることが目的なのだろうか。
ハツみたいに息苦しさを抱えている人はたくさんいると思う。
狭い世界を出れば、その息苦しさは薄まるけど、それでも他者とかかわらずに生きていくことはできない。
ハツが高校時代を経て、どんな大人になるのかとても気になった。
案外、社会に出たら、こういう子はうまくやっていくんじゃないかと思う一方、このまま息苦しさを抱えたままでいるんじゃないか…という思いも頭をかすめた。