【読書のススメ】デッドエンドのあとにあるもの(デッドエンドの思い出/吉本ばなな)
デッドエンド。
デッドエンドの意味を締め切りとか最遅の期限だとばかり思ってました。
辞書を引いて全然違う意味だと初めて知りました。(笑)
恥ずかしい…。(笑)
正しくは物事が行き詰まる、どん底、先が見えないという意味なんですね。
標題の デッドエンドの思い出 は吉本ばななさんの柔らかい優しい文章で書かれていても、やはりズシンズシンと心にきます。
30年も生きてると、なんで自分だけがこんな目に遭わなくちゃいけないんだと思うときや、呆然としながらこんなことがあるんだと絶句してしまうときが何度もあります。
そういうとき、私は1人で時間が過ぎるのを延々と待つ派でした。歯を食いしばって。
だけど、西山くんのように静かに話を聞いてくれる人の存在がどれほど貴重でありがたく尊いものなのか身にしみて分かります。アラサーになってからより身にしみるようになりました。
悲しみや苦しみは時間が経てば必ず癒えます。癒えた後に忘れずにずっと残るのは、ただそこにいて、何をいうでもなく話を聞いてくれた人のこの上ない優しさだと思います。
ひどく辛い思いをした主人公が、その直後に西山くんと過ごしたご褒美のような束の間の最高の日々。
最高の日々だからこそ長くは続かないのかもしれないけど、自分の人生の中で、今が最高に幸せだと思ってい日々のことを懐かしく思い出しました。