【読書のススメ】結婚した相手は人生最愛の人ですか(マチネの終わりに/平野啓一郎)
すごい本を読んでしまった。
どうしよう。(笑)
興奮が冷めやらない。
静かなカフェで読んでいたのに、それを忘れて、え?うそでしょ?と本に向かって呟くくらい没頭。
そんな自分にドン引きだけど、リアクションせずにはいられないようなシーンがあったのです(笑)
すごかった。
というと稚拙すぎますがすごかったのです。ほんとに(笑)
来月映画化されるようなのですが、読んでみようと思ったのは、何年か前、アメトークの読書芸人で又吉さんと若林さんが勧めてたから。
ギタリストの男性とジャーナリストの女性の恋愛の話だけど、ワクワクする。
男同士だったらコンビ組んでるし、女同士だったら小籠包食べに行くやん、っていう関係。
と紹介してたのです。
好きな人2人が勧める本ってどんな本だろうと手に取ったのですが、大当たりでした。
蒔田と洋子はパズルのピースがカチッと合うような相手。
別の言葉で言い換えるなら、運命の相手とかソウルメイトとか相思相愛とか赤い糸の相手とかなんだか書いてて恥ずかしい言葉になるんだろうけど、蒔田と洋子の関係はもっと強いし深いような気がする。
パズルのピースの片割れというのが一番しっくり。
お互いアラフォーだから落ち着いていて、20代よりも大人びている。
何かの間違いでピースを無くしてしまい、手持ちのピースの中からめぼしいものを選んだとしても、それでは後々大きな歪みが生じる。
パズルのピースの片割れはどちらにとってもひとつしかありえない。
だから自分にとって、片割れだと思った相手でも相手がそうじゃないと思えば、悲しいけどそれは勘違いに過ぎない。
私は片割れのない人生かーって思ったけど、蒔田も洋子も自分よりも年上のアラフォーだからか、いくつになっても、思いもよらないことが起こるものなのかもしれない。
この本の舞台はパリ、ニューヨーク、バグダッド、東京、長崎…と移り変わる。
蒔田も洋子も日本語以外の言葉をサラサラと話しているし、登場人物たちの国籍も様々。
日本で30年生きてきて、日本人と日本語ばかりを話して生きてる自分とはあまりにも違う世界だったけど、なぜか、蒔田と洋子の共通の友人になったかのように、2人の行く末を見守っていた。
読み終えて、冒頭部をもう一度読み返して、こんな感覚を持ったことが腑に落ちた。
それから、このタイトルの意味することに気づいて胸がいっぱいになった。
どんな人間関係でも、この人と合うなーという人に出会うことがある。
出会いや縁というのは本当に不思議だけど、やっぱり出会うべくして出会ったとしか思えないとアラサーになってから強く思う。
この本で
未来は常に過去を変えている
という言葉が出てくる。
同じようなことをキングコング西野さんも近畿大学の祝辞で言っていた。
最初は難しいと思ったけど、いろんな解釈ができるように思う。
私なりにこの言葉の着地点をゆっくり探そうと思う。
読書の秋だから本読もうかなーと思ってる人に是非読んでほしい一冊。