【読書のススメ】思い通りにはいかないもの(いつかパラソルの下で/森絵都)
繰り返し何度も読むお気に入りの1冊。
もともと森絵都さんのカラフルが大好きだったので、手に取って読んだことがきっかけだったように思う。
【読書のススメ】色にまみれる(カラフル/森絵都) - アラサー独身OLの読書と美容の日々 ときどきジブリときどき映画
でも始めて読んだのはいつだったかもう思い出せないくらい何度も何度も読んでいる本。
仕事でも恋愛でも自分の思うようにいかないことが続くと前向きな気持ちを保つことはとても難しい。
そんな時にこの本の一節がとても勇気をくれ、励ましてくれる。
愛しても、愛しても、私自身はこの世界から愛されていないような、そんな気が心のどこかでいつもしていた。
受け入れても、受け入れても、私自身は受け入れられていない気がしていた。
(中略)
けれどもそれは自分自身のせいでなく、なべて生きるというのは元来、そういうことなのかもしれない、と。
(中略)
人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。
愛しても愛しても愛されなかったり、受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。
それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。
初めてこの部分を読んだ時の衝撃は忘れることができない。
人生を諦めているわけではなく、思うようにはいかないということこそが生きることなのだという静かで力強いメッセージ。
カラフルを読んだときと同じような感動を覚える。
落ち込んだ時はいつもこの本繰り返しなんども読んできた。
読むと、不思議と気持ちがすっきりする。
以前、テレビでさんまさんがこんなことを言ってた。
嫌なまま、ダメなまま過ごす方が楽しいと考えてみろ。
嫌なことを楽しいと思えたら、あと何があっても平気やねん
頂点に立つ人は私の思考回路では決して及ばないようなことを考えているのだと度肝を抜かれた。
さんまさんの言ってることと、この本が言わんとすることは同じことだと勝手に解釈しているけど、どちらも凄まじい。
自分自身ではひねり出すことのできない考えを会得することができるので、やはり本を読むことはやめられない。
なぜ本を読むのかということの答えは、こういう本に一冊でも多く出会いたいからなんだと改めて思う。