【読書のススメ】色にまみれる(カラフル/森絵都)
初めて読んだのは小学校のころ。
とんでもない衝撃を受けたことを覚えてる。
それ以来、早二十年。未だに繰り返し繰り返し読んでいる大切な本。
大人になってから読むと、主人公の視点よりも働くお父さんのほうに共感してしまうこともあったけど、読むたびに深い感動を覚える。
物事を多角的に見る、視野を広く持つとかいろんな表現方法があるけど、この本はタイトルでそれを見事に表している。(そのセンスの良さにも感服です!)
この世界はカラフルで色にまみれている。
辛く、悲しく真っ黒な世界だと思ってしまうことがあったとしても、そうじゃない。
一点だけみれば黒いところもあるだろう。でも色にまみれたこの世界をもっとよく見てみなさい。
たかだか数十年の人生なんだから、ホームステイだと思って好きなようにやってみろ。
疲れた人を励ますたくさんのメッセージが込められているように感じる。
プラプラ(天使)、早乙女くん、父、母、兄貴、クラスメイト。
乱暴な物の言い方だったり、信じられない行動だったり、そういうものに主人公は傷つけられてきた。だけど、黒だとばかり思っていたその言動の裏はカラフルな色であふれてた。
この本を読むと、人生はホームステイなんだから、もっと自由に好きなことをやってみようと不思議と勇気が湧いてくる。
こうあらねばならない、こうしなくちゃいけないみたいに自分に制限をかけてるのはほかならぬ自分自身だということに気づかされる。
そして自分の幸せにも気づかされる。
決して大きな幸せではないけど、些細な事がとても幸せだと思う。
些細な事だと思っていることはすべて当たり前なことではないのだから、感謝しなければと。
大好きなプラプラの言葉。
気持ちが縮こまりそうになったら、思い出してください。
自分を縛らず、自由に動いていたあの感覚を。
そして、あなたを支えてくれた人たちのことを。