【読書のススメ】花より男子の道明寺から見た世界(あの子は貴族/山内マリコ)
読書熱再燃のキッカケになった山内マリコさんの本はどれもタイトルが印象的で、何を読んでも面白いのだけれど、この本もアラサーの私には刺さった!
今の時代のアラサー独身者、既婚者のどちらの気持ちも代弁できる人だと思う。
あの子は貴族というタイトルからも連想できるが、花より男子のF4や英徳学園のような家柄の人たちが登場する。
帝国ホテルやその他ラグジュアリーなホテルでサラッとお茶や食事をしていたり、その優雅な暮らしぶりをあたかも自分が体感してるような錯覚に陥り、しばし、貴族気分を体感できた。(笑)
住んでる世界が違うとはこういうことなんだなーと思い知ったのだけれど、働くようになって、この本に出てくるような家柄の人たちと会う機会が増えた。
東京に出てくるまで御三家と呼ばれるような学校があること自体知らなかったのだが、そういう学校を出ている人たち。
みんな雰囲気がどことなく似ているのだ。
あまり自分からはそういう話をしないのだが、飲み会の席などでたまたまそういう話になったときに、ああ、やっぱりとやけに納得できるくらい、みんな同じような雰囲気を纏っている。
穏やかで人当たりが良く、なんとも言えない気品がある人たち。
それは学校で、似たような教育を受けてきたからなのかなと思っていた。
あとは女子校や男子校で育った影響なのかなと。
でもそうではなくて、おそらく、家柄がみんな似ているからなのだと初めて気がついた。
この年に になるまで気がつかなかった。(笑)
自分と同じ貴族のような家柄の人と結婚した華子が、結婚式の最中もタワーマンションでの新生活もしんどそうに過ごす様子や、苦労をしたこともないし、毎日退屈だと話す様子が印象的だった。
みんなそれぞれ立っている位置が違うから、見えてる景色は違う、と以前又吉さんが言っていたけど、ほんとに全然見てる景色が違うんだと感じた。
独身のころは結婚へのプレッシャーで悩み、結婚したら旦那の浮気や子供ができないことで子供ができればお受験で悩む。
きっと今の時代のみんなが通る道なんだろう。
だけど、かつては親の選んだ相手と結婚していた時代があったのだ。
それが今や自由に相手を選べるようになった。
これから先の時代はどう変わっていくんだろう。
結婚しないという選択が市民権を得るときがそう多くないと私は勝手に思っている。