【読書のススメ】子供のときの思い出(漁港の肉子ちゃん/西加奈子)
何年か前のアメトークの読書好き芸人で紹介されていた本。
読んでる途中から、小学校の時の思い出が蘇ってきました。
アラサーになり、社会に揉まれに揉まれ、大人に囲まれた日々を長いこと送っていたので、いつもの生活の中では絶対に思い出すことのなかった小学校のころの記憶。
運動会のとき、家族と一緒にお弁当を食べたときのこと。
遠足で食べる一人分のこじんまりとしたお弁当とは違い、大きなお重や大きなタッパーにたくさん入っていた大好物たち。
冷たいお茶の入った大きな水筒。
紙のお皿と紙のコップと割り箸。
シートの上に運動靴を脱いで座ったこと。
校庭の砂のにおい。
そして女子特有のグループのこと。
一緒にトイレに行く謎の文化。
めまぐるしい繰り返されるグループ脱退加入問題。それが本当に面倒くさかったこと。
夏祭りが楽しかったこと。
誕生日会で行った友達の家。
びっくりするくらい鮮明に思い出したのはキクリンの目を通して見る世界が、私もかつて通ってきた世界だったからだと思います。
本を読み終わって懐かしい思い出に浸りながら眠ったのですが、思い出たちがそのままそっくり夢に出てきました。
起きて時間が経つほどに夢の詳細は忘れてしまったのですが、妙に現実味を帯びていたことと、ほんとに夢でよかったという安堵の気持ちだけは残りました。
子供で、ひとりでは何もできないとわかっていて、でも、どうにもできなかった小学校時代。
大人になった今も、日々思うようにはいかないけど、それでも、自分の足で立ち、自由な選択をすることができることに安堵したのかもしれません。
小学校のころが遙か遠い記憶になっていることに納得するくらいに私も年をとったんだなと思いました。考えて見ると当時の母の年に近づいていることにも驚きました…!
しばらくは色んな小学校のときの思い出が蘇ってきそうです。子供だったときの懐かしい記憶。
読書好き芸人で紹介される理由に激しく納得しました。