アラサーOL 頑張らない日々

読書好きアラサーOL@都内 お一人様爆走中で何をするにも基本ソロ活動。将来の夢はものを書いて生計を立てること。

【読書のススメ】結婚しなくてもいいかも(太陽のパスタ、豆のスープ/宮下奈都)

太陽のパスタ豆のスープ。

美味しそうなタイトルだが、働くアラサーにはとても励まされる内容の本だと感じる。

 

婚約していた相手から、婚約破棄されるところから始まるこの小説。

読むのは2回目なのだが、最初に読んだときの記憶がないのは、そのころ恋愛がうまくいっておらず、心ここにあらずという感じだったからだろう。(笑)

 

彼氏がいたり、婚約者がいたり、旦那さんがいたり。

そういう人達は自分よりは幸せなんだろうな~と思っていたけど、一概にそうとも言えないのかもしれない。ひがみではない。(笑)

 

幸せなことももちろんたくさんあるだろうし、その濃度密度はひとりでふらふらしている私なんかよりははるかに高いのだろうけど、その反対で悲しいことだったり辛いことだったりも食らうダメージはすさまじい衝撃なのだろう。

 

この本は婚約破棄されたところから、立ち直る過程が描かれている。

やりたいことリスト(ドリフターズリスト)を作るように勧めてくれた叔母や、心の支えになってくれた会社の同僚、幼馴染、会社の先輩。

 

やりたいことリスト。

オードリー若林のエッセイを読んだ影響で好きなことリストというのを私も作っている。(笑)

私にはこんなに好きなことがあるんだなと、なんだかうれしくなり、書き出したことで休日を埋めていくとなんとも楽しい日々が送れていた。

でも最近は書き出すまでもなく、あれもこれもやりたいとおのずと頭で考えられるようになってきた。

主人公の藁をもすがる思いで書いたドリフターズリフトと私のやりたいことリストを同列にしてしまうのはあまりにも申し訳ないけれど。(笑)

 

終盤で婚約破棄という出来事は間違いではなく、婚約が間違いだったんだと思う主人公の姿が本当に印象的だった。

一生間違えたままで人生を終わる人もいるのに、間違いだったことに気づかせてくれた元婚約者に対して感謝していた。

これを成長と一言で片づけてしまうのはあんまりにも軽いけれど…。

人生には思いもよらないことが起こる。

自分の思い通りに進んでいくことのほうが少ないようにも思える。

それをうんうん唸ったり、黙って歯を食いしばったりしながら乗り越える。

乗り越えると、これは自分にとって必要なことだったと思える人は幸せになれる人なんだろうなー。

私はそんな風に思うことが果たしてできるだろうか。。。

 

この本を読んで、20代のときの自分と30代の自分を比べていた。

20代は自分のことを最優先に考えていた。

休みができたら、自分へのご褒美で旅行に行ったり。

ボーナスが出たら、同じく自分へのご褒美を買ったり。

 

30代もつい最近まではそんな感じだったけど、誰かのためになることをしたいという思いが強くなった。

自分の幸せだけ考えて生きていくのはもう飽きてしまった。

友達が喜ぶから~とか先輩が喜ぶから~とか。

相手が喜んでくれることをすることが自分の幸せだと思えてきた。

 

それから、両親。

もう、本当に親孝行する時期に来ている。

独身でいることは親不孝なのかもしれないけど、できる限りの親孝行をしていきたい。

親が喜ぶ顔を見たい。

こんな風に思うのは、私が年を取ったということもあるけど、それ以上に親が年を取ったと思うことが多くなったからだ。

 

結婚はいい人がいれば、してみたい。

だけど、いい人がいなければ、一人でもいいかもしれないなー。

 

私の周りにいてくれる友達や職場の人を大事にしていこうと思う。

もちろん家族も。

結婚相手を必死に探すよりも、自分の大切な人を大事にしていくことのほうが私には幸せだと思うのだ。

 

ステレオタイプな幸せが結婚なのかもしれないけど、そうじゃない幸せをふつふつと実感していく人生を歩んでいくのが私らしいのかもしれない。

ひがみではない。(笑)

 

 

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)