アラサーOL 頑張らない日々

読書好きアラサーOL@都内 お一人様爆走中で何をするにも基本ソロ活動。将来の夢はものを書いて生計を立てること。

【読書のススメ】ひとりぼっち(いつかパラソルの下で/森絵都)

アラサーになるとお一人様も板についてきて、ひとりでどこへでも行けるようになった。

ひとり居酒屋もひとり海外旅行もひとり映画も。

 

朝起きて仕事に行って、帰ってきて。

休日はひとりであちこち出かけて。

たまに友達とご飯に行ったりして。

この無限ループが私の人生なのだと思っていた。

こうやって年を重ねていくことを受け入れようと思っていた。

 

最近、渡辺直美さんがYouTubeで一緒にご飯を食べようという動画をあげていた。

試しに一緒にご飯を食べてみてたのだけど、とても楽しかったのだ。

 

会社から帰ってきて、いつもひとりでご飯を食べるのが当たり前だったけど、思いがけず、ひとりではないと思わせてくれた。

 

きっと、自粛になる前にも同じようにひとりぼっちだと感じる人がたくさんいたと思う。

私のように独身でいる人や学校へ行けない人などなど。

 

そういう人にとって、ひとりじゃないと思わせてくれる動画はなんだか観ていてほっとするし、元気が出る。

 

会ってくれる友達がたくさんいる人も私のような独身お一人様も今は同じ状況下にいるのが不思議に感じるけど、森絵都さんの『いつかパラソルの下で』という大好きな小説の一説を思い出した。

 

愛しても、愛しても、私自身はこの世界から愛されていないような、そんな気が心のどこかでいつもしていた。

受け入れても、受け入れても、私自身は受け入れられていない気がしていた。

(中略)

けれどもそれは自分自身のせいでなく、なべて生きるというのは元来、そういうことなのかもしれない、と。

(中略)

人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。

愛しても愛しても愛されなかったり、受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。

それが生きるということで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない。

 

人は等しく孤独であるということの意味を正しく理解するにはまだ時間がかかりそうだけれど、大好きなこの一説はこれからもずっと大切にしていきたい。

 

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

いつかパラソルの下で (角川文庫 も 16-5)

  • 作者:森 絵都
  • 発売日: 2008/04/25
  • メディア: 文庫
 

 

 

【つぶやき】幸せってなんだろな

リモートワークが恒常化してきた。

 

普通に通勤して普通に飲みに行っていたとき。

元々人付き合いが得意ではなく、1人のほうが気楽だと思っていたので、職場の人間関係が煩わしくて、1人で仕事ができるフリーランスが羨ましくてたまらなかった。

1人で仕事がしたいと願っていた。

 

そして恋愛からもしばらく遠ざかり、お一人様が板についてきた。

映画や旅行も1人で楽しめるようになっていたけれど、だんだんと1人で出かけることに飽きてきていた。

もう1人は十分だから誰かと一緒に時間を過ごしたいと思うようになっていた。

 

全てがうまく進んでいると思えず、私の人生って冴えないなと思っていた。

 

それが最近、外出が自粛になり、リモートワークに切り替わってきた。

そして、久方ぶりに恋愛をしている。

ずっと1人で過ごしてきたのに、一緒にいてくれる人ができた。

 

自分の生活が少し前とは変わってきた。

 

では諸手を挙げて幸せなのかと考えると、そうじゃないことに気づいて愕然とする。

わがまますぎる。

 

リモートワークは快適だ。

会社員で毎月給与がもらえることがこんなにありがたいことだと初めて感じた。

これまでは、不平不満ばかりで、働いたやってるという気持ちがあったんだと思う。

働かせてもらってるんだと気がついた。

 

そして、通勤しているだけで、知らず知らずのうちにお金を使っていたことに気がついた。

飲み物やランチや食後のコーヒーやお菓子などなど…。

家にいると全くお金を使わない。

着るものは部屋着でいいし、化粧もしない。

見映えを必要以上に気にするタイプではなかったけれど、こんなにお金を使っていることに驚いた。

これはいい側面。非常にありがたいと思う側面。

 

では恋愛はどうか。

久方ぶりの恋愛は初めのうちは楽しかった。

でも相手のことがわかってくると、すべてを受け入れられない自分の器量の小ささに気がつく。

1人でいることに飽きたから誰かと一緒にいたいと思っていたのに。

いざ、そういう人が現れると、不満が出てくるってわがまますぎる。

どこまでいっても満足できないのは私が欠陥人間だからなのか…。

それとも、現状ではないどこかに目を向けてしまうのが人間の特性なのか…。

 

幸せは自分の心次第。

どんな状況でも笑って幸せを感じられるような自分になりたい。

そうならなければずっと不満を抱えて生きてかなくちゃいけない。

そんなのつまらなすぎる。

 

 

 

 

【読書のススメ】愛してるなんていうわけないだろ(角田光代)

新型コロナウィルスの影響もあり、普段本を読まない人達に全力でおすすめしたい本をご紹介します。


角田光代さんのエッセイです。


1991年に刊行された本なのですが、胸に残る言葉がたくさんありました。

とにかく20代、30代女性の課題図書に据えたいくらいお勧めの本です。

 

一人の人生に行く万もの苦しさや悲しさが意地悪くちりばめられていたとしても、年老いてある時期が来れば、「よく頑張ったで賞」の商品みたいに、私たちの心の中には一番幸福な物、幸福な時期だけがパッケージされるのではないかなどと考えていた。

 

すべてが無駄じゃない。
みっともないことも、負けず嫌いも、でもやっぱり負けちゃうことも、行き場のない思いも、無駄じゃない。

 

私を救ってくれた大好きな本がたくさんの人の生きる糧になりますように。

 

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

  • 作者:角田 光代
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

【読書のススメ】力を抜いて頑張らない(あやうく一生懸命生きるところだった)

『あやうく一生懸命生きるところだった』という本を読んだ。

 

アラサーになり、正直人生に飽きてきた感は否めない。

社会人もこなれてきたけど、これがあと何十年も続くかと思うと正直うんざりしてしまい、どうにもテンションが上がらないのだ。

この繰り返しにもう飽きた。(笑)

 

友人も結婚出産を経て、立場も違うし、時間も合わなくなってきてしまった。

 

ひとりでも楽しく生きようと無駄にテンションを上げてあちこち出かけていたのだが、正直、ひとりで出かけるのも飽きてきた。(笑)

 

目的があればいいけど、時間を持て余して散歩したりしても、暇すぎて大欠伸してしまう。(笑)

 

人生のスランプというと大袈裟だけど、ほんとに停滞してるなー最近、と思っていたところに読んだので、もっと肩の力を抜こうと決意。

 

今まで必死に頑張って努力してきた。

たけど、その結果がこれだと思うとなんだかなーという感じなのだ。

頑張ってきたことは決して無駄ではないし、いい経験だったけど、これからはもうあんまり頑張らなくてもいいですか?(笑)

 

なりたい自分像を作って、そうなれるようにやってきた。

だけど、そのなりたい自分像になったところで幸せなのか?それって果たして自分に合ってるのか?

20代の頃は若さゆえ、気づかなかったけど、自分とかけ離れたところになりたい自分像を作ってらそれに向かってひた走るのってしんどすぎる。

 

自分は自分にしかなれないんだから、自分にしかできないことを自分らしくやればいいんじゃないのかな。

 

 

今までは学校や会社で他の人と同じようなことをそつなくこなすことが重要視されていたような気がする。

集団や組織において、個性と協調性というのは相反する。周りの人と同じように考えて行動できる人の集団は統率が取りやすい。

 

だけど、今や多様性の時代。

周りと同じように考えて行動することになんの意味があるんだろう。

AI化が進み、これから先、人の手を介さずにロボットがなんでもやってのけてしまう時代がくる。

そうなってくると人間ひとりひとりの個性が大事になってくる気がするのだ。

 

個性は努力して手に入れる必要はない。

もともとのその人らしさだから。

 

いい意味で、意識高くしたり、無理に楽しくしようとあれこれ動くのはもういいかな。

力を抜いて自分らしく。

 

 

あやうく一生懸命生きるところだった

あやうく一生懸命生きるところだった

 

 

 

【読書のススメ】中学の時、最高に楽しかった(死神の浮力/伊坂幸太郎)

ずっと読みたかった本。
死神の精度の続編。
平日、仕事終わりに少しずつ読んだのだけど、とにかくこの本だけを楽しみにしていたので、読み終わってしまって楽しみがなくなってしまった…。(笑)

 

前作とは異なり、ミステリーの要素も盛り込まれていたけれど、千葉さんは相変わらずで安心した。
千葉さんの超人離れした能力とユーモラスな言動が、アラジンのジーニーとオーバーラップして、前作以上に千葉さんのことが大好きになった。


陰と陽で正反対な二人なのに、主人公に寄り添う姿や愉快な言動や不思議と人間臭いところなど、共通点が多いせいか、読み進めるうちに、どんどんオーバーラップしていった。

 

ところどころ、千葉さんが人間の特性を冷静に分析し、それを不思議がっているシーンが出てくるのだけれど、その分析がとても的を得ていて、くだらないことで悩んでいることが馬鹿馬鹿しくなった。


同僚たちが適当にやり過ごす仕事も、真面目に取り組み、人間たちの特性を理解しようという姿勢もなんともいじらしくて、癒された(笑)
感情の起伏がなく、人間に興味のなさそうな千葉さん達調査員が愛してやまないのが音楽というのも、この本の好きなところだ。

 

そんな千葉さんに影響されて、ふと、中学のときに歌っていた合唱曲やらを聴いてみたら、懐かしさとその歌詞にとんでもなく心を動かされた。

 

色々聴いて中学のときの思い出で胸がいっぱいになっていたのだけど、ふと、知らない曲も聴いてみようと思って何気なく聴き始めた曲が素晴らしかった。


あなたへ という曲。


卒業式で歌われているようで、歌詞にもメロディーにも心を持っていかれて、気づいたら涙が出そうになっていた。

 

旅立っていくのですね
まばゆいほど輝いて
旅立っていくのですね
温かな巣をあとにして

愛と涙そして知るだろう

人生という名の迷路の果てに

信じあえることの喜びと悲しみを知った分優しくなれることを

 


中学のとき、それはそれは小さな世界で生きていたけど、あのころ、本当に楽しかった。
思いっきり笑って転げまわっていたし、自分も周りのこともとても好きだった。
根拠のない自信と明るい未来があると信じていたし、努力すればなんだって叶うと思っていた。

 

あの頃のみずみずしい感覚をこれから先体感することが難しいと思うけど、それでも自分の中にあるこの思い出を大切にしていこうと思った。


あわただしすぎる毎日をただやり過ごすような日々が続いて、ベルトコンベアーに乗せられて、意味不明な目的地まで流されているような気分になる。


この曲のおかげで、我に返った気がした。千葉さんのおかげだ。(笑)

 

中学のころ、なんのために合唱しているのか分からなかったけど、こうやって大人になった今の自分のために歌っていてくれていたような気さえする。

 

あのころ想像しなかった様々な経験を経て、いろんなことを諦めて過ごす日々の中で、昔の自分が夢見てたような大人になれているのかと考えて苦笑してしまった。

 

音楽はなくても生きていけると思っていたけれど、そうじゃないと思わせてくれた。
中学のころ歌っていた曲を通勤のお供にしてみようかな。

【読書のススメ】平成に置いてきた大事なもの(リズム/森絵都)

リズムは20年位前に読んだことのある作品です。
ツイッターでリズムの感想を載せている方がいらっしゃって、読みたい思いが湧き上がってきて再読。

本の内容までは覚えていなかったのですが、リズムは本を開いた瞬間から素晴らしかったです。

 

まわりのことが気になって
自分がメチャクチャになりそうなとき、
心の中でリズムをとるんだ。
まわりの音なんて関係ない
自分だけのリズムを

 


カラフルのときも、タイトルのセンスに度肝を抜かれましたが、今回もタイトルの意味を知り、ますます森さんが好きになりました。

 

作品は平成初期のころに書かれたもので、時代の違いを感じました。


平成初期なんて、ついこないだと思っていたのですが、平成元年生まれがもうアラサーになっているのだから、その分時代は確実に動いていることを実感しました。
特に、携帯電話(ガラケー)が出てこないことがとても新鮮に感じられました。

 

固定電話はあるけど、携帯電話のない時代は、今から見れば不便ですが、この作品から感じられたのは、人との距離の近さや温かみでした。

 

リアルタイムで連絡を取ることができるという便利さと引き換えに、今は人との距離がどんどん遠く感じられる気がしました。


世界中のどこにいても、LINEで顔を見ながら話をすることができることは平成初期には考えられなかったことだと思います。
ドラえもんの世界ですよね。

 

人との出会いもとても便利になったと思います。
インスタグラムを使えば会ったことのない人とも連絡を取り合えると後輩に教えてもらい、びっくりしました。

 

私が古くさい人間なのかもしれないですが、携帯電話のない時代で中学・高校生活を過ごしてみたかったです。
話したいときには固定電話を使ったり、手紙を書いたり。

インスタントカメラで写真を撮って、現像してもらって、写真を受け取って。


少し不便ない時代の思い出の方が深く強く残るような気がします。

 

今年は2020年。令和2年。
今は分からないですが、30年後に振り返った時、当たり前ですが、時代を感じさせる不便なことがたくさんあるんだと思うと不思議な気持ちになります。

 

2019年の終わりに

令和元年も残りわずか。

 

今年はとにかく読書熱が再燃した1年。

又吉さんの第2図書係補佐をきっかけに本の面白さに魅了された。

 

なにかの答えを探すかのように取り憑かれたように本を読んだ。

本の中に出てくる沢山の人の気持ちや考えを知った。

それをただひたすらに繰り返した先に見えてきたことは自分のこと。

今まで自分のことってよくわからなかった。

自分探しなんて言葉もあるけど、ここにいる自分のなにを探せば答えが見つかるのかも分からなかった。

 

でも、すこーしだけ分かった。

 

そして生きていくために必要なことは優しさと思いやりだと痛感した。

来年からはそれを養っていきたい。

 

今日は暖かくて大掃除がはかどった。

ギボムスを笑いながら観て癒された年末。

しあわせ。