【読書のススメ】生きるヒント(又吉直樹)
本屋をぶらぶらしていて、ふと手に取った本が、ピースの又吉さんの書いた「第二図書係補佐」。
最近のお気に入りの本ばかりを繰り返し読んでいたので、久々に読むおニュー本。
又吉さんと言えば、芥川賞を受賞した火花が有名だが、今まで、手に取ることはなかった。
ひねくれものだからか、世間の流行や話題の商品を手にするのを敬遠しがちなのです。(笑)
大ブームであちこちで行列になっているタピオカを飲んだのもブームが落ち着きを見せ始めた最近。
おいしーーー!これは、みんな並ぶのもわかるわ!と、感動。
ちなみに最盛期では考えられませんが、そのときの行列は3人くらいでした。(笑)
第二図書係補佐は本当に読みやすくびっくり。
おニュー本を読むときに、引っかかって、なかなか読み進められないことが続いていたのです。
純文学とか難しい本を読んでいるわけではないのに、あちこちひっかかるような感覚が嫌で嫌で。
それが全くなく、笑いながら、ときに感銘を受けながら、一気に読んだ。
本当に面白かった。2019年に読んでよかった本のベスト3には絶対に入ること間違いなし。
自分がこれまで、読んだ本を又吉さんが自身の体験談を語りつつ、紹介しているのだが、同じ本を読んでるんだと思うと、とてもうれしくなった。
詳しい感想はまた書こうと思うが、あまりにも面白かったので、違う作品を読んでみたいと思い、東京百景、夜を乗り越えるという本も立て続けに一気に読んだ。
特に東京百景の中の「池尻大橋の小さな部屋」。
こんなに切なくなったのは、千と千尋の神隠しを観たときと、島本理生さんの君に降る日を読んで以来。
きっととても大切な人だったんだろうな。
大事で大切で一緒にいたい人をこの東京で見つけること。見つけた後に一緒にいること。
どちらも容易いことではなく難しいことだと強く思う。
日本で一番人がたくさんいるこの東京で、それまで感じたことのないくらいの孤独感を何度か味わった。
そのときの気持ちが全て詰まっているようだった。
「池尻大橋の小さな部屋」はずっと心の中で消えることがない作品だと思う。
今は、読んですぐなので、まだ消化しきれてないが、また感想を書きたい。
太宰治の人間失格がとても好きだと語る又吉さん。その熱量はすさまじい。
私もそんな風に思えるものがあるだろうかと考えた。
私にとっては「千と千尋の神隠し」だと思う。(本当にしつこいくらいブログに書いているが(笑))
勿体なくて、1年に1回観ることにしているのだが、観るたびに気づくことが違うのだが、同じことを又吉さんも言っていて、少しうれしくなった。
3冊を全て読み終えて、今はまだ、消化しきれていないのだが、生きるうえでのヒントみたいなものを掴めるきっかけをもらえたような気がしてならない。
うまく言えないけど、読む前と読んだあとの今では、まったく違う心持ちなのだ。
とにかく読むことができて本当に良かった。