【読書のススメ】好感度ランキングとは(続 横道世之介/吉田修一)
世之介に再会できました!(喜)
こんなにうれしいことはありません。
映画も前作も大好きだったので、読むのがもったいなくて、タイミングをはかっていました。
結論、素晴らしかった。
大好きすぎます。
世之介、相変わらずでした。
老若男女、すべての人から愛されていました。
前のブログでも書きましたが、世之介とみやぞんがなぜかリンクするのです。
私だけかな…?
世之介と再会して思うのは、人は好かれる人、嫌われてしまう人と二通りに別れるということ。
これは人が好きな人、人が嫌いな人と表裏一体のような気もします。
何もしなくても人に好かれる人っていますよね。
例えばみやぞんとか。
好感度ランキングで名前が出てくる人達とか。
それは、天性の才能みたいなものんじゃないかと思うのです。
小手先のテクニックでは到底身に受けることのできないもの。
世之介は就職もせずにいい年してフラフラしてます。
だけど、大学の友人のコモロンや偶然にパチンコ屋で出会った浜ちゃんや、床屋のお兄さんや、奇跡的な出会い方の桜子や亮太、その家族などなどいろいろな人と楽しそうに過ごしている姿に心が満たされていきます。
アルバイトの身の上なので、余裕があるはずもないのですが、とても幸せそうなのです。
それは世之介が人から好かれる存在であり、人が好きだからじゃないかと思うのです。
裏切られたり、いやな思いをする場面ももちろん出てきますが、そういう人と同じ次元に立たない彼の姿勢を見て、こんなことで人を嫌いになるのがもったいないと考えているのかなと感じました。
社会に出るといろんなことがあります。
親の顔が見てみたいと思ってしまうくらい意地悪な人とか、よくこんなにいやなことを言えるよなということを言われたりとか。
もう二度と顔を見たくない人ばかりなときもあります。
それは私が世之介とは別タイプの人間だからということもあるのでしょう。
万人から好かれるタイプではないということは不幸だと思いましたが、こんな私に寄り添ってくれる人がいつも必ずいるのです。
不思議なことですが。
一見すると腹立たしいことも別の角度から見てみると、全く違う意味合いを持つことに気が付きます。
本当に大事なのは腹立たしいことなんかではなくて、そのときに話を聞いてくれる同期や先輩のやさしさなんですよね。
世之介の話を読んでそんなことを思いました。
善良であることというのが、この本のテーマです。
だけど、好感度ランキングのように誰が見ても善良に見える人もいれば、そうは見えない人もいると思います。
人からどう思われても自分の善良さ、いいところを失ってはいけないと強く感じました。
好感度ランキング圏外であっても、ひとりでも自分の良さを分かってくれる人がいればいいのです。
作者の吉田さんからのメッセージ。
人生のだめな時期、万歳
人生のスランプ、万々歳
世之介の生みの親の言葉。心にしみました。
人生のだめな時期、スランプの時でも、世之介は幸せそうでした。
不平不満ばかり言っていてはだめだと痛感しました。
自分自身で人生を幸せに導いていこうと、前を向くことができました。
令和という新しい年になってからの初読み本が世之介で本当に良かったです。